はじめに
韓国語で短い日記を書いていると、教科書で覚えた単語や文法だけではなく、「韓国語らしい書き方」に出会うことがあります。
私にとって、その一つが 「한다体」 でした。
最初の頃、私は日記を書くときも、会話で習った表現をそのまま使えばよいと思っていました。たとえば、「〜します」「〜しました」のような丁寧な形や、短く一言だけ書く形です。
ある日、オリンピックの開幕が近づいていたので、そのことを韓国語で日記に書こうと思いました。日本語では「明日からオリンピックが開幕します」と言いたかったのですが、私はかなり省略して、
내일부터 올림픽 개막.
(明日からオリンピック開幕。)
と書きました。
見出しのような短い日記としては意味が伝わる表現でしたが、そのあと、
내일부터 올림픽이 개막한다.
(明日からオリンピックが開幕する。)
という文を教えていただきました。
そこで私は初めて、「개막한다」の 「한다」 に目が止まりました。
「한다って、하다のこと?」「します、とは違うの?」と少し戸惑ったのです。
この記事では、短い日記を書いたことをきっかけに、韓国語の 「한다体」 という書き言葉に出会い、少しずつ理解していった経験をまとめてみたいと思います。
「開会」ではなく「開幕」と教えていただいた
オリンピックの開幕が近づいた頃、そのことを韓国語で日記に書いてみようと思いました。
最初は、日本語の「開会」という言葉をそのまま思い浮かべていたのですが、添削で「オリンピックのような大きな大会では、『開会』よりも『開幕(개막)』という表現が自然です」と教えていただきました。
私は日本語でも「開会」と「開幕」をあまり意識して使い分けたことがありませんでした。
そのため、「オリンピックは開幕と言う方が自然です」と教えていただいたときは、韓国語だけではなく、日本語についても一つ勉強になった気がしました。
日本語の言葉の違いにも気付けたことは、私にとって思いがけない発見でした。
そこで私は、教えていただいた「개막」という単語を使って、その日の日記を書いてみることにしました。
私が書いたのは、
내일부터 올림픽 개막.
(明日からオリンピック開幕。)
という、とても短い一文です。
「明日から」と「オリンピック開幕」という内容は伝わるので、自分ではこれで十分だと思っていました。短い日記なので、日本語で見出しを書くような感覚で、「〜が」「〜する」といった部分を省略していたのです。
ところが、このあとで教えていただいた文章には、私が思ってもいなかった表現が使われていました。
「개막한다」を見て「한다って何?」と思った
添削では、
내일부터 올림픽이 개막한다.
という文を教えていただきました。
そのとき私が気になったのは、「개막」ではなく、その後ろに付いている 한다 でした。
それまで私は、「합니다」や「해요」のような丁寧な表現には慣れていましたが、「한다」という形はほとんど見たことがありませんでした。
最初は、「한다」は「하다」が変化した形なのだろうかと思いました。
でも、「왜 한다가 되는 거지?(どうして 한다になるのだろう?)」と考え始めると、ますます分からなくなってしまいました。
さらに説明を聞くと、次のように動詞によって形が変わることを知りました。
- 읽다 → 읽는다(読む)
- 가다 → 간다(行く)
- 오다 → 온다(来る)
- 하다 → 한다(する)
「한다」という形だけを見ると、「하다」が変化した特別な形のように見えました。
しかし、「읽는다」「간다」「온다」のような形もあると知り、「これは一つの単語ではなく、文体そのものなんだ」と少しずつ分かってきました。
私は、それまで韓国語の日記といえば、会話で習った表現をそのまま使うものだと思っていました。そのため、韓国語には、日記を書くときによく使われる書き方があることを初めて知りました。
「한다体」は日記や説明文で使う書き言葉だった
「한다体」は、日記や説明文、新聞やニュースの記事、本などでよく使われる書き言葉の文体です。
一方で、普段の会話では「해요体」や「합니다体」が使われることが多いため、「한다体」を初めて見ると少し戸惑うかもしれません。
私も最初は、「한다」という一つの単語なのだと思っていました。でも実際には、「한다体」という書き言葉のルールの一つだったのです。
教科書では会話で使う表現を学ぶことが多かったため、韓国語には「書き言葉の文体」があるということまでは意識していませんでした。
「한다体」を知ってからは、ドラマやニュースの字幕、本の文章を見ると、「ここでも 한다体 が使われている」と気付くことが少しずつ増えてきました。以前は何となく読んでいた文章も、「これは書き言葉なんだ」と意識して読むようになりました。
「한다体」で日記を書く楽しさを知った
「한다体」は書き言葉だと分かってからは、日記を書くときにも少しずつ取り入れてみようと思いました。
ちょうど『星の王子さま』を読み始めた日には、
오늘부터 어린 왕자를 읽는다.
(今日から『星の王子さま』を読む。)
と日記に書いてみました。
「ただ文法を覚えた」のではなく、「韓国語らしい日記を書いている」という感覚が少しだけありました。
以前の私なら、「읽어요」や「읽겠습니다」のような会話で習った表現しか思い浮かばなかったと思います。しかし、「한다体」は日記や説明文でよく使われる文体だと知っていたので、今回は自然に「읽는다」と書くことができました。
もちろん、まだ知らない表現はたくさんあります。それでも、一つ新しい文体を知ったことで、これから日記を書くのが少し楽しみになりました。
教科書では単語や文法を覚えることが中心ですが、実際に日記を書いてみると、「こういう書き方もあるんだ」と新しい発見があります。
今回の「한다体」も、その一つでした。自分で書いた文章を添削していただいたからこそ、教科書だけでは気付かなかった韓国語の書き言葉に出会うことができたのだと思います。
「한다体」を使って日記を書くようになってからは、それまでとは少し気持ちが変わりました。
以前は、「韓国語として合っているかな」ということばかり気にしていました。しかし、「한다体」を知ってからは、「韓国語では日記をこんなふうに書くんだ」という楽しさも感じるようになりました。
もちろん、毎日すべてを「한다体」で書いているわけではありません。その日の内容によっては「해요体」を使うこともあります。それでも、「今日は書き言葉で書いてみよう」と考えられるようになったことは、自分の中では大きな変化でした。
まとめ
私は最初、「한다」は「하다」が変化した特別な形なのだと思っていました。しかし実際には、「한다体」という書き言葉の文体の一つであり、日記や説明文、ニュースなどでよく使われる表現だと知りました。
今回も、自分で日記を書いて添削していただいたことが、新しい学びにつながりました。もし「내일부터 올림픽 개막.」とだけ書いて終わっていたら、「한다体」という文体に出会うことはなかったかもしれません。
韓国語を勉強していると、単語や文法だけでなく、「どんな場面で、どんな文体を使うのか」を知る機会があります。そうした違いが分かるようになると、ドラマやニュース、文章を読む楽しさも少しずつ増えていくように感じています。
これからも日記を書きながら、一つひとつの表現との出会いを大切にし、少しずつ韓国語らしい文章を書けるようになっていきたいと思います。

