はじめに
韓国語を勉強していると、知っている単語ばかりなのに、文になると急に意味が分からなくなることがあります。
私が잘하기는요という表現を見たときも、そうでした。
きっかけになったのは、次のような会話です。
가: 한국어를 잘하시네요.
(韓国語がお上手ですね。)
나: 잘하기는요. 아직 멀었어요.
(上手だなんて。まだまだです。)
最初に気になったのは、아직 멀었어요でした。
멀다は「遠い」という意味だと知っていたので、아직 멀었어요を直訳すると「まだ遠いです」になります。
それが日本語では「まだまだです」と訳されているのを見て、「まだまだ」を「遠い」という言葉で表すのが面白いなと思いました。
そして今度は、その前にある잘하기는요が気になりました。
잘하다は「上手だ、うまくやる」という意味だと知っていました。それなのに、잘하기는요になると、日本語では「上手だなんて」と訳されています。
「–기는요が付くと、どうして『~だなんて』という意味になるのだろう?」
一つの表現が面白いと思ったら、その隣に今度は分からない表現が出てきました。
そこで今回は、잘하기는요をきっかけに初めて知った–기는요について、どのような意味で使われるのかを整理してみたいと思います。
잘하기는요を見て「–기는요って何?」と思った
잘하다は知っているのに잘하기는요になると分からなかった
잘하다は、それまでにも何度か見たことがある単語でした。
「上手だ」「うまくする」という意味があることも知っていたので、잘하다だけなら特に迷うことはありませんでした。
ところが、そこに–기는요が付いて잘하기는요になると、知っているはずの잘하다が急に分からない表現に見えました。
잘하다の後ろに何かが付いていることは分かっても、それによってどんな意味が加わっているのかが分からなかったのです。
韓国語を勉強していると、単語そのものは知っているのに、語尾や表現が加わった途端に意味をつかめなくなることがあります。
잘하기는요も、私にとってその一つでした。
「上手だなんて」という日本語訳が不思議だった
さらに気になったのが、잘하기는요の日本語訳でした。
잘하기는요.
(上手だなんて。)
잘하다には「上手だ」という意味があるので、そこまでは分かります。
しかし、どこから「なんて」という意味が出てくるのかが分かりませんでした。
私は最初、–기는요そのものを「~だなんて」と覚えればよいのだろうかとも思いました。
けれども、「上手だなんて」という日本語だけを覚えても、別の場面で–기는요が出てきたときに意味をつかめるとは限りません。
잘하기는요は、相手の「韓国語がお上手ですね」という言葉を受けて使われています。
そこで、一つの文だけを見るのではなく、会話の中で–기는요がどのような働きをしているのかを調べてみることにしました。
–기는요の意味を調べてみた
相手の言葉を軽く否定するときに使われる
–기는요について調べてみると、相手が言ったことを受けて、それを軽く否定したり反論したりするときに使われる表現だと分かりました。
たとえば、
가: 한국어를 잘하시네요.
(韓国語がお上手ですね。)
と言われたときに、
나: 잘하기는요.
(上手だなんて。)
と返すことで、「そんなことないですよ」という気持ちを表すことができます。
ここで大切なのは、–기는요そのものが「謙遜」を意味するわけではないということです。
相手の言ったことを受けて軽く否定する働きがあり、褒められた場面で使うと、結果として謙遜した返しになるのだと分かりました。
잘하기는요は「上手だなんて・そんなことないですよ」という感じ
ここまで分かると、最初に不思議だった잘하기는요の「上手だなんて」という訳も少し理解しやすくなりました。
相手から「韓国語がお上手ですね」と言われたときに、
잘하기는요. 아직 멀었어요.
(上手だなんて。まだまだです。)
と答えるのは、「私は上手です」と認めているのではなく、相手の褒め言葉をやわらかく打ち消しています。
そのため、日本語では「上手だなんて」「そんなことないですよ」のように訳すと、会話の感じが伝わりやすくなります。
私は最初、–기는요を「~だなんて」と訳すものだと思いかけました。
しかし、「~だなんて」という日本語をそのまま当てはめるというより、相手の言葉を受けて「そんなことないですよ」と返す感じをつかむほうが分かりやすいと思いました。
–기는요はどんな形につくの?
–기는요は、動詞や形容詞の語幹などに付けて使うことができます。
今回の잘하기는요なら、
잘하다 → 잘하기는요
となります。
ほかにも、
예쁘다 → 예쁘기는요
비싸다 → 비싸기는요
のように使うことができます。
また、会話では–기는요が縮まって、–긴요という形で使われることもあります。
ここでは細かな形をすべて覚えるよりも、まず「相手の言ったことを受けて、軽く否定することがある表現」と覚えておくことにしました。
例文で–기는요の感じをつかんでみた
잘하기는요|「上手だなんて」
まずは、今回のきっかけになった잘하기는요です。
가: 한국어를 잘하시네요.
(韓国語がお上手ですね。)
나: 잘하기는요. 아직 멀었어요.
(上手だなんて。まだまだです。)
相手から「韓国語がお上手ですね」と褒められたことに対して、「そんなことないですよ」とやわらかく否定しています。
この場合は、相手の褒め言葉をそのまま受け取らずに返しているため、謙遜した言い方になります。
예쁘기는요|「きれいだなんて」
褒められたときの別の例も見てみました。
가: 정말 예쁘시네요.
(本当におきれいですね。)
나: 예쁘기는요.
(きれいだなんて。)
ここでも、「きれいですね」という相手の言葉を受けて、「そんなことないですよ」とやわらかく否定しています。
잘하기는요と同じように、褒め言葉に対する返事として使われているため、謙遜する感じになります。
비싸기는요|「高いだなんて」
一方、–기는요は褒められたときだけに使われるわけではありません。
たとえば、
가: 이 가방 비싸지요?
(このバッグ、高いでしょう?)
나: 비싸기는요. 생각보다 싸게 샀어요.
(高いだなんて。思ったより安く買いました。)
この場合は、褒め言葉に対して謙遜しているわけではありません。
相手の「高いでしょう?」という言葉を受けて、「そんなことないですよ」と軽く否定しています。
3つの例を比べてみると、–기는요を使ったときの日本語訳は「~だなんて」となることがありますが、共通しているのは、相手の言葉を受けてその内容を軽く否定していることだと分かりました。
–기는요が少し分かるようになった
直訳だけでは分からなかった
今回、잘하기는요で迷ったのは、単語や文法を日本語に置き換えて理解しようとしていたことも理由の一つだったと思います。
잘하다が「上手だ」という意味だと知っていても、そこに–기는요が付いた잘하기는요を見ただけでは、「上手だなんて」という意味にはなかなか結びつきませんでした。
最初は、–기는요を「~だなんて」と覚えればよいのかと思いましたが、それだけでは비싸기는요のような表現が出てきたときに、会話の感じまで理解するのは難しそうです。
「~だなんて」という日本語訳をそのまま覚えるのではなく、相手が言ったことを受けて、それを軽く否定していると考えると、私には分かりやすくなりました。
会話の流れを見ることも大切だと分かった
잘하기는요だけを見ると、最初は何を表しているのか分かりませんでした。
しかし、
한국어를 잘하시네요.
(韓国語がお上手ですね。)
잘하기는요. 아직 멀었어요.
(上手だなんて。まだまだです。)
という会話全体で見ると、相手の言葉を受けて「そんなことないですよ」と返していることが分かります。
韓国語を勉強していると、一つの単語や表現の日本語訳だけを見て覚えようとしてしまうことがあります。
今回の–기는요は、前後の会話を見ることで、どんな気持ちで使われているのかが少し見えるようになった表現でした。
これから会話の中で知らない表現に出会ったときは、その部分だけを見るのではなく、「その前に相手が何と言ったのか」にも注目してみようと思います。
まとめ
今回は、잘하기는요をきっかけに、–기는요について整理してみました。
最初に見た、
잘하기는요. 아직 멀었어요.
(上手だなんて。まだまだです。)
という文では、まず아직 멀었어요が気になりました。「まだ遠いです」という言葉で「まだまだです」と表すところが面白いと感じたのです。
そこから今度は、その前にある잘하기는요の「上手だなんて」が気になり、また別のところで立ち止まることになりました。
調べてみると、–기는요は相手の言ったことを受けて、軽く否定したり反論したりするときに使われる表現でした。褒められた場面で使うと、「そんなことないですよ」という謙遜した返しになります。
今回、私が特に印象に残ったのは、「~だなんて」という日本語訳だけを覚えるよりも、前後の会話を見るほうが意味をつかみやすかったことです。
知っている잘하다が잘하기는요になっただけで、最初はまったく違う表現のように見えました。
これからは同じような表現に出会ったとき、一部分だけで意味を考えず、その前後の会話にも目を向けてみたいと思います。
